「最適」なハーフ住宅が叶える、賢く美しい暮らしの秘密

マイホームづくりにおいて、「最高の性能」や「無限の予算」を追求できる人はごくわずかです。多くの人にとって重要なのは、限られた予算の中で性能、意匠(デザイン)、機能のバランスをいかに最適化するか、という点ではないでしょうか。
新潟で長年、小さい家専門の設計事務所を営んできた鈴木氏は、デザインを単なる「かっこよさ」ではなく、「目的を整えること」と定義しています。
本記事では、この鈴木氏の設計哲学に基づき、いかにしてハーフ住宅が、予算を最大限に活かし、賢く、美しく、家族と仲良く過ごせるマイホームを実現するのかを解説します。最高のスペックではなく、あなたにとって「最適」な住まいを見つけるためのヒントが詰まっています。
予算と理想を両立するハーフ住宅の「一体化」設計哲学
設計を「予算の取り合い」から「一体化」へ
限られた予算の中で理想の家を建てるには、設計の考え方そのものを変える必要があります。従来の設計のように、間取り、構造、断熱といった各要素の予算を分断し、互いに予算を取り合う「予算の取り合い」の状態を避けるべきです。
そうではなく、間取りの「一体化」を目指すことが、限られた予算を最大限に活かす方法です。
一体化の例:
- 意匠と構造が一体化した間取り
- 意匠と温熱が一体化した間取り
- 構造と温熱が一体化した間取り
究極的には、「意匠・構造・温熱が一体化した間取り」こそが、「一石二鳥、一石三鳥」を狙う感覚で設計を進める、最も賢い手法です。ハーフ住宅は、この一体化設計を柔軟に行える素地を持っています。
構造をデザイン要素として積極的に活用する
ネイティブディメンションズモデルの設計者である鈴木氏の設計の根幹には、「肉は骨についている」という考え方があります。建物において、骨格(構造)が美しければ、プラン(間取り)も自然で美しくなります。
プランを先に無理に押し込むから、不自然な位置に柱が立ったり、構造計算で問題が出たりします。構造はデザインの邪魔なものではありません。
構造材をあえて見せる(現しにする)ことで、空間をデザインする要素として積極的に活用します。
具体的な工夫:
- 梁を間接照明の照明板として活用: 構造材である梁を、そのまま照明器具の台座として利用することで、造作工事を不要にするという「一石二鳥」の工夫です。
- 骨格が美しければプランも美しい: 構造が美しければ、柱は自然な位置に収まり、自然なプラン(間取り)が出来上がります。構造が空間を形作り、肉付けの部分(機能)を造作が担うという役割分担で設計を進めます。
構造がしっかりしているハーフ住宅だからこそ、この「構造現し」のデザインが、高い意匠性とコストダウンを両立させます。
コストダウンと美しさを両立するハーフ住宅のプランニング術
間取りを作る前の「配置計画」の重要性
間取りを作る前の全体計画(プランニング)では、まず配置計画が重要です。建物は敷地だけでなく、「街並みを作る社会的責任」があるからです。街に馴染み、その地域の価値を上げるようなボリューム、屋根形状を意識することが大切です。
配置計画の工夫:
- 街並みを作る窓: 敷地の内側からだけでなく、遠くから見た外観を想像し、「あそこに窓があったら可愛いだろうな」というイメージから窓の位置を決め、それに合わせて間取りを作ります。
- 「ただいまの動線」の意識: 道路を挟んでどちらから帰ってくることが多いかなど、「ただいま」という動作の動線をイメージし、帰宅時に一番最初に見る建物のプロポーションが美しくあるようボリュームを出していきます。
美しいデザインは、社会的な責任を果たし、日々の暮らしの感情に寄り添うことで成立します。
構造区画によるコストダウンと自由な間取り
鈴木氏の設計は、1階と2階の耐力壁や柱の位置を揃える「構造区画」による設計が基本です。これはハーフ住宅のような構造計算を必要とする住宅において、特に有効な手法です。
構造区画のメリット:
- 基礎コストの大幅削減: 1階と2階が乗っかる大雑把な四角(構造区画)を設定すれば、その内側は自由に間仕切りやレイアウトが可能になります。この構造計画は、基礎の設計を単純化し、基礎のコストを大幅にダウンさせることができます。
- コスト削減分をこだわりへ: 基礎で削減できたコストを、キッチンや無垢フローリングなど、顧客がこだわる部分の予算に回せるようになります。
ハーフ住宅の設計において、この「構造区画」の考え方を取り入れることで、構造的な安心と自由なプランニング、そしてコストダウンという三つのメリットを享受できます。
最高ではなく「最適」を目指すハーフ住宅の性能論
エコロジーとエコノミーを両立する「標準仕様論」
マイホームづくりで目指すべきは、最高(ハイエンド)の性能ではなく、最適な性能です。この「最適」とは、エコロジー(環境配慮)とエコノミー(節約・経済性)のバランスを意味します。
設計の「最適」:
- 総熱損失量を重視: 鈴木氏は外皮性能(UH値)自体を標準で設定せず、総熱損失量(換気も踏まえた熱損失の合計値)を重視します。建物の規模が変わっても、この総熱損失量がほぼ同じになるよう断熱性能を調整して設計しています。
- 小さい家はエコノミーに優れる: 例えば、小さい家(16坪)は、UA値は大きくなりますが、総熱損失量は同じであるため、断熱材にかかる費用が安く済みます。性能は「そこそこ」でも、小さい家の方が「エコノミー(節約・経済性)」に優れていると捉えることができます。
ハーフ住宅は、構造の特性上、断熱施工の自由度が高く、この「総熱損失量」に基づいた最適化された断熱設計が可能です。
鈴木邸の実例から学ぶ「そこそこの性能」の現実
鈴木氏の自宅は、そこそこの断熱性能(UH 0.32〜0.34程度)と必要最小限の設備で設計されていますが、驚くべき光熱費実績を誇ります。
実例データ:
- 設備: 太陽光3.6kW、空調は6畳用エアコン2台、換気は壁付けのパイプファンを使用。
- 光熱費実績(年間): 電気代(売電相殺後)が年間885円(ほぼゼロ)、ガス代(給湯)が年間約75,000円で、総光熱費は月平均1万円程度に収まっています。
室内環境: 猛暑日(外気温40℃超え)でも、エアコンを稼働させれば22℃〜24℃の範囲で安定し、絶対湿度もほぼ一定に保たれています。
この実例が示すように、最高を学ぶことは大切ですが、その知識をもって自分のやりたい最適を知り、それを標準仕様とすることが、無理のない持続可能な家づくりに繋がります。
デザインとは「理由」であり「価値観の共有」である
機能が生み出す造形(理由付け)
構造が空間の骨格を作り、機能(肉付け)を造作が担います。この「機能」にこそデザインの理由が詰まっています。
鈴木氏が設計する家では、キッチン、玄関、リビングなど、すべてに具体的な「理由」が数多く埋め込まれています。
設計における「理由」:
- 小さい家ほど理由が必要: 小さい家は、その隅々まで「理由」がないと設計できません。大は小を兼ねるという発想が通用しないため、一つ一つの空間や造作に必然性が求められます。
- 理由付けがデザインとなる: これらの「理由」を一つひとつ解決した結果が、その空間の形(造形)となります。
ハーフ住宅のような合理的な構造を持つ住宅こそ、この機能が生み出す造形という考え方と親和性が高く、無駄のない美しいデザインを実現できます。
デザインとはお客様との「価値観の共有」
デザインに絶対的な正解はありません。最も大切なのは、お客様とどの方向から見るかという「価値観の共有」です。
鈴木氏の設計は、「小さい家に住みたい」というオーダーよりも、「鈴木さんのような暮らしがしたい」という共感を求める顧客に選ばれています。これは、設計者が自身の「最適」な価値観を発信し、それに共感する顧客とタッグを組むことで、常に最高のパフォーマンスを発揮し続けられるという、理想的な関係性を示しています。
お客様と異なる方向を見て設計しても、良い結果にはなりません。価値観を共有し、「最高ではなく最適」というゴールを共に見据えることが、後悔のない家づくりに繋がります。
ハーフ住宅は「最適」な暮らしを実現する最高の選択肢
ハーフ住宅は、構造と機能、そしてデザインを「一体化」させることで、最高を目指すより最適を目指す賢い家づくりに最適な構造です。
ハーフ住宅は、構造区画によるコストダウンを実現しながら、構造をデザインとして活かす高い意匠性を兼ね備えています。さらに、総熱損失量に基づいた経済的な高性能により、毎月の光熱費を最小限に抑えることが可能です。
性能とデザイン、そして予算のバランスに悩むあなたにとって、ハーフ住宅は、「構造が美しければプランも美しい」という原理原則に基づき、長く価値を保ち続けるマイホームを実現する、最適なソリューションとなります。
ぜひ一度、ハーフ住宅をあなたの住宅購入や建築の選択肢の一つとして加えていただき、構造と美しさが共存する、あなたの「最適」な暮らしの可能性を探ってみてください。
暮らしとともにしつらえていく楽しみ「ハーフ住宅」とは
ハーフ住宅は、高品質の骨格と外装、水道、電気、ガスと、法律的には住宅として最低限「暮らせる」状態でお施主さんに引き渡す住宅です。 世界の住宅の標準ともいえるスケルトンインフィル。
柱などの木が見えるむき出しの状態から、みずから中を自分好みにしつらえていく。
つまり、家を自由にデコレーションしていくことができる住宅です。
コンクリートの打ちっぱなし住宅の木バージョンともいえる「木の打ちっぱなし住宅」ともいえます。
High quality 高気密・高断熱・高耐震の高い品質
More than reasonable 価格を低く抑えられる
Do it yourself 自分色に仕上げられる
人気の一級建築士が設計した、これら3つのコンセプトを持った複数のプランの中からお選びいただけます。
コストを抑えながら高性能住宅が手に入る反面、お施主さんにも「しつらえる覚悟」を持ってもらう必要があります。
なので「内装まで全て出来上がった状態の住宅が欲しい」「できるだけ自分で手を加えたくない」という方には正直オススメできません。
逆に、「自分好みに自由に作ってみたい!」「ちょっとぐらい不格好でも逆に私らしさが出ていいかも!」 「高気密・高断熱・高耐震で建てたい!でも、できるだけコストを抑えたい!」
そんな方にピッタリです!
「ハーフ住宅」を、ぜひ夢のマイホームの選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?
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